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ネット生保で働くなんちゃってトライアスリートが子どもたちと話したいこと

直感と信念と歯がゆさと

「AとBとC」というタイトルを見て何を思い出すか。

父さんと同じ1970年代生まれだったら間違いなく、「恋(いと)しさと切なさと心強さと」か「部屋とYシャツと私」だろう。2010年代生まれの二人にとってはどうだろうか。

ちなみに、これを読んで、『おかしい。「A、B及びC」、「A並びにB及びC」、または「A及びB並びにC」などとすべきだ』と、最初に感じたとしたら、法律に関わる仕事が向いているかもしれない(父さんには向いていなかった)。

そんな話はどうでもいい。

今日は、父さんが心から尊敬する友人が、直感と信念について書いた本「正しい判断は、最初の3秒で決まる」について書こうと思う。父さんが生まれてはじめて献本(「けんぼん」ではなく「けんぽん」と読むらしい)頂いた本だ。慎さん、ありがとう。

最初にタイトルを見たときは、マルコム・グラッドウェルの名著『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』を意識しているのだろう…という印象だったが、果たして中身は大きく違った。

「第1感(原著は”Blink”=ひらめきの意)」は、適応性無意識という人類が厳しい生存競争を勝ち抜く中で培ってきた、わずかな情報で素早く適切な判断を下す能力を所与として(その存在については、エピソードや心理学実験を紹介するにとどめ)、よりよい人生をおくるために、その能力(脳力)をどのように引き出し、活用するかという点に焦点が当てられている。小難しいことを言っているが、要は、「直感をどう役立てるか」の本と言ってもいい。

一方、「正しい判断」は、歴史、哲学、ビジネス、科学、スポーツ、建築…古今東西の様々な文献やその道の第一人者たちの言葉を引きながら、著者自身の経験も織り交ぜ、どのようにして直感と信念(経験に基づき、無意識のうちに最善の選択肢を選びとるものであり、人の発想/行動を左右するもの)を磨き上げるか、それにより何が変わりうるのかという点について、多くの頁を割いている。いわば「直感をどう鍛えるか」について書かれた骨太の本だ。そこに近道はない。

また、その構成は彼がインプットしてきた知や情報を、主題である「直感と信念」という軸にそって並び替え、組合せながら次々に読者に提示していく、小気味よいキュレーションのようで、ふむふむと読んでいるうちにあっという間に読了してしまった。

その土台にあるのは、新しい経験によって培われた人間の直感と信念が、イノベーションを生み出し、世界をよりよい場所に変えていく。そうして、変化した世界が新たな経験を生み出していく。その繰り返しによって、世界は前に進んできたのだという世界観。

この本が世に出たのと時を同じくして、「機械との競争」という本がベストセラーとなり、人類とコンピュータが将棋で戦う第2回電王戦が大きな話題となり、人類側が1勝3敗1引き分けで負け越したというのは、きっと偶然ではないだろう。

YとLの二人が成人し、仕事をはじめる頃になっても、イノベーション(=著者は「社会に存在している課題を今までにない方法で解決すること、もしくは先例のない課題を解決すること」と定義する)は人類の専売特許であるとは思うけれど、逆に言えば、”それ以外”の仕事でお金をかせぐのはどんどん難しくなる、そういうとても厳しい時代に二人は生まれたのだとも言えるかもしれない。これは大変なことだけれど、とても楽しいことでもある。


ちょっと話はそれるが、父さんは二人に謝らなければいけないことがある。

特にLが生まれてからこの半年くらい、何かあるたびに「子どもが二人になると、なかなか自由な時間が取れなくって」と、たいした努力もせずに、子育てを言い訳に、色々なことをサボってきた。

余談だけれど、言い訳が多いのは父さんの悪いクセで、古くはなんちゃってサッカー少年だった頃にさかのぼる。幼稚園の時は、所属していたサッカー部が強豪すぎてベンチをあたためることが多かったのだけれど、たまに試合に出られるチャンスが来ても、出場直後からちょっとした拍子に足を痛めたフリをして、もしミスをしても「いや、足が痛くて…。」と言い訳できるようにしようなんて考えていた。恥ずかしい。

著者である慎さんは、父さんと同じ金融業界で働き(同じ会社だったこともある)、父さんと同じような特技(Excelを使った財務モデリング)を持ち、父さんと同じスポーツ(トライアスロン/ウルトラマラソン)を楽しむ。

この本を読んで、その内容以上に衝撃だったのは、父さんが言い訳をして色々とサボっている間に、彼と父さんの間に、これほど大きな差が開いてしまったのか…という悔しさであり、歯がゆさだった。

インプットの質と量、そして、多忙な中で同時並行で複数の本を執筆するアウトプットの努力、さらに今このブログを書いているその瞬間、日本のウルトラランナーの憧れの大会の一つ、川の道フットレースという、太平洋から新潟まで5日半で520kmを走破する変人レースに挑戦しているという事実。なんてこった。(彼の生活スタイルを記事にしようとした編集者が、あまりのストイックさに、これでは読者が共感できない…と諦めたという話もあったと記憶している。)

このタイミングでこの本に出会えたことは、二人のために父として何ができるかの前に、まず自分自身がどう生きるかを見つめ直すよいきっかけになった。心から感謝したい。


はて、なんともまとまりのないエントリーになってしまったけれど、さいごに、気に入った文章を2つばかり引用しておわりにしたい。この本が、直感と信念の人としての慎さんの生き様であり、そして、新たなチャレンジに向けたマニフェストなのだと言うことが伝わってくる迫力の一文。心打たれた。

二人が大きくなってこの本とブログを読む頃、慎さんはどんな風に世の中を良くしているだろうか。そして、父さんはどうだろう。その時がきて、二人に「あーぁ…。」と思われないよう、父さんも逃げずに進んでいきたいと思う。

仕事を通じて論理的に考えることを教えこまれている人であればあるほど、論理的に正しいことを話しているときに得も言われぬ安心感を覚えるだろう。私もその一人だ。しかし、それだけでは十分ではないのだ。私たちは時として、自分の経験を信じて、飛躍する勇気を持たなければならない。「論理的で賢い」人々から、時には冷笑を浴びることがあっても、まだ自分の言葉にもできない思いを信じ続ける勇気を(p.53)。

私はどうしてもこの本を、今、書きたかったのです。隼が飛びたいように、チーターが走りたいように、私はこれを書きたかったのです。私はこれから起業します。全ての人に必要なお金が届く世界をつくり、より多くの人が貧困から抜け出す機会を生み出すために、21世紀における世界銀行の代わりとなる民間金融機関をつくろうと思います。(p.236)



慎さん、川の道520kmの完走、そして起業、応援しています。でも、身体も大切に!


正しい判断は、最初の3秒で決まる 投資プロフェッショナルが実践する直感力を磨く習慣正しい判断は、最初の3秒で決まる 投資プロフェッショナルが実践する直感力を磨く習慣
(2013/04/19)
慎 泰俊

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  1. 2013/05/01(水) 07:59:06|
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